物は時とともに劣化し、傷や皺、染みを伴った物質的な痕跡を残す。砂の粒子は肌に付着するとザラザラとした感触を伴い、人の体はそこで世界の肌理との非連続性に気づく。例えばフィルムの映画や写真に生じた傷や埃、音楽をレコードで聞いた時の音飛びやループ、そんな物と世界と体との間に生じ、今の時代には打ち捨てられていくような物質的な感触、動作と画面との接触面に生じる肌理の立ち上がりを顕現させていくような作品制作の方法として、Cracked Screen(クラックド スクリーン)と名付けた独自の手法で平面作品を制作している。
これは、製版していない紗を張ったシルクスクリーンの版を幾度となく刷って使い込み、それによってインクが目詰まりを起こし、色が綺麗に入る部分とそうでない部分の斑が生じていくことそれ自体をメディウムとして扱い、経年の異なる複数の版を用いて画面を作っていくことを意味する。
そのCracked Screenによって、内的に生じたイメージの断片を繋ぎ止めるように、一つ一つの版の部分同士の連関が大きな全体のイメージとして一挙に到来するような画面を構成していく。よく曲線や曲面、丸い形状のイメージが与えられる。その意味や理由は自分でもまだよくわからない。
1994年 北海道生まれ
2017 年 武蔵野美術大学造形学部空間演出デザイン学科 卒業 現在東京を拠点に活動
主な展示、入選、受賞歴
2020 年 シェル美術賞2020 入選
2021 年 第56回神奈川県美術展美術奨学会記念賞受賞
2022 年 明日をひらく絵画 第40 回 上野の森美術館大賞展 入選 第57回神奈川県美術展入選 geisai#21出展 Idemitsu Art Award2022 入選
2023年 GINZA COLLECTOR’S CLUB出展 – GINZA ATRIUM
COMING SOON...
COMING SOON...
COMING SOON...
●「Grab your egg and let it drop」/ 2023 / 910 × 910mm /
●「Nocturnal Innocence」/ 2023 / 652 × 455mm /