星野友幸 | 天王洲のアートスポット WHAT CAFE
【プロフィール】

陶芸家。1976年、山梨県生まれ。1999年に横浜市立大学を卒業後、2005年に京都府立陶工高等技術専門校成形科を修了、猪飼祐一氏に師事。
2007年、東京都国分寺市にて独立。2013年、日本工芸会正会員認定。
主な展示は、2017年 「星野友幸展-人シリーズー」(LIXILギャラリー)、2019年 「陶の表現四人展」(和光ホール)、2021年 「魔法の茶碗展」(Ippodo Gallery New York)

 

【ステートメント】

大学受験の勉強に明け暮れていたある深夜、星野はなにげなく陶芸家の特集番組を目にした。
土を採取し、捏ね、成形して焼く。
その素朴な作業によって、ひとつの作品ができある工程を目の当たりにしたとき、自身が考える「職業」とはかけ離れた仕事を生業に生きる人々がいることを知った。それは、今までの人生とは異なる価値観に出会った瞬間であった。

彼は、磁器と陶器、両方を制作する稀有な陶芸家である。
独学で制作を始めたという磁器は、「練継(ねりつぎ)」という技法を編み出したことによって軌道に乗り始めた。滲み出るようなピンクのマーブル模様と、無垢な磁器肌の余白が織りなすコントラストは、色相の異なる土を継ぐという独自の発想から生まれた。一方陶器は、シュガーグレーズをたっぷりと掛けた菓子のような石灰釉が、さまざまなピンクの表情を引き出している。
星野の作品は、受け継がれてきた美意識と現代的な感覚が両立されており、またそれぞれの素材の特性を伸びやかに生かした造形も特徴的である。

共通するのは、すべての作品を染める象徴的なピンクだろう。
なぜこの色かという問いに、星野は「ピンクが自身の内面を象徴していると感じるから」だと答える。
子供のころから自分を表現することが得意ではなかった彼は、いつも抑圧してしまう自身を感じていた。あの夜に見た映像がずっと記憶の片隅に残っていたのは、土と色を介してなら自己表現できると、本能的に感じたからかもしれない。

うまく言い表せないもの、人にさらけ出せない恥ずかしいもの、内に抱える業や欲。
抑えても抑えきれない、自身のこの本質的な一部分は、いつしかピンクという色にのって、土の表面に表れてきた。

ロクロで土を伸ばすとき、土に添わせる指先から、自分の一部が徐々に溶け込んでいくような感覚がする。力をかければ、その通りに変形してくれる土の優しさ。心地よく土と触れ合ったさきに、柔らかなピンクが作品にふわりと浮かび上がっていく。心の内を代弁するかのように、さまざまな思いが作品にたち表れてくる。

「いい形のものを、美しく作れ」
繰り返し教えてくれた師の言葉が耳に残る。
星野の作品の、洗練された造形と、心をくすぐる色合いの妙。
土と色に託されたものは昇華され、作品という深みをもって、私たちの前に可憐にたたずんでいる。
憧れにも似た気持ち、まるでひとときの心地よい夢を見るかのように、この作品をずっと眺めていたいという気持ちになる。

(B-OWND)

【略歴】
1976年
山梨県甲府生まれ
1999年
横浜市立大学商学部卒業
2005年
京都府立陶工高等技術専門校 成形科修了 猪飼祐一氏に師事
2007年
東京都国分寺市にて独立

グループ展

2022年
「前人未及的練上Ⅳ」Touch Ceramics(香港)
2021年
「魔法の茶碗展」 IPPODO New York 「植田俊一郎 灰皿コレクション展」 銀座一穂堂
2019年
「陶の表現四人展」 銀座和光ホール
2018年
「陶芸~新世代の技とカタチ~展」 札幌芸術の森
2017年
「進化する磁器展」 茨城県陶芸美術館
2016年
「現代陶芸・案内(ガイド)」展 茨城県陶芸美術館
2015年
「伝統工芸の現在性」 MOA美術館

個展

日本橋三越、柿傳ギャラリー(新宿)、Gallery栗本(長岡)、ギャラリー上方銀花(大阪)福岡三越、LIXILギャラリー(銀座)、MIZEN Fine art(パリ)、ギャラリー隨縁(瀬戸)、 髙島屋大阪店、岡島百貨店(甲府)

コレクション

茨城県陶芸美術館、イセ文化財団、府中市
【Profile】

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【自我介绍】
【简历】
【簡介】

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【自我陳述】
【簡歷】