【プロフィール】
美術家・陶芸家。1992年、東京都生まれ。2016年、多摩美術大学工芸学科陶専攻卒業。2017年、アートアニメーションのちいさな学校卒業。主な展示は、2019年「TOKYO2021 慰霊のエンジニアリング un/realengine」(東京)、2019年、キュレーション及び出展した「ceramic scramble」(東京)、2020年「Beautiful Dreamer」(香港)、同年「Y-generation artist」(東京)、同年「BUSTERCALL=ONEPIECE展」(神奈川)、2021年「仮想世代陶芸」(東京)、2022年「ART TAIPEI」(台湾)、同年「ロマンティック・プログレス」(岐阜)など多数。また、「ABC-MART」、「NIKE」などともコラボレーションしている。
【ステートメント】
ポップ、サイケデリック、トイ、カラフル、グロテスク、ノスタルジー。
宮下の作品を語ろうとすると、さまざまなキーワードが思い浮かんでくる。
愛らしいのに奇妙であり、空想的でありながら現実的でもある。そして、歴史的な遺物をも取り込んで、自らの表現へと昇華している。
宮下の作品に触れるとき、忘れていた幼いころの記憶をふと思い出すような感覚がある。
子どものころ見ていた、支離滅裂な夢の中に出てきたものたち。まるで不思議な世界へと誘われるかのようだ。
奇妙な人型は、ナンセンスでありながら、自らの記憶に起点のある、どこか示唆的なかたちをしていた。解体され、それらが再構築された形体は、どこからくるのだろう。
宮下が子どものころよく見ていたというカートゥーンアニメーションは、かわいいだけではない、皮肉や暴力性を含んでいる。
少年は、「なにか」ざわざわとする要素を敏感に感じ取っていた。
人間には多面性がある。それこそが人間味であり、おもしろさではないか。
また宮下は、作品を制作することは、自己回復へと繋がると語る。
情報が溢れかえる現代社会において、日々多くの情報を受信するなか、悩み、憤り、喜び、さまざまな感情を抱くうち、ふとキャパシティを超える瞬間が訪れる。
クレイアニメーションのように、繰り返すメタルフォーゼの一瞬をとらえたかのような作品には、彼のその時々の感情が表れているようだ。
陶土という素材をもとに、様々なカルチャー・ジャンルを越境する姿勢によって生み出された作品たち。それはさながら、「重みのあるカートゥーン」ともいうべきものである。
少年時代より、「かわいい」だけでは救われない「なにか」を感じ取ってきた宮下にとって、物事に内在する多面性への興味が、創作の源泉だと言えるだろう。
(B-OWND)
【略歴】
- 1992年
- 東京都生まれ
- 2016年
- 多摩美術大学工芸学科陶専攻卒業
- 2017年
- 「アート・アニメーションのちいさな学校」卒業
グループ展
- 2021年
- 「仮想世代陶芸」渋谷パルコ OIL by 美術手帖/東京
- 2021年
- 「Gallery of taboo」日本橋/東京
- 2020年
- 「Y-generation artist」銀座SIX蔦屋書店アトリウム/東京
- 2020年
- 「once again」TOKYO cultuart by BEAMS/原宿
- 2020年
- 「BROCKHEAD MOTORS RC CAR EXHIBITION」TOKYO cultuart by BEAMS/原宿
- 2020年
- 「Satoshi Miyashita popup」BEAMS JAPAN/新宿
- 2019年
- 「ART AS GIFT」オン・サンデーズ/東京
- 2019年
- 「TOKYO2021 慰霊のエンジニアリング」戸田建設/東京
- 2019年
- 「CEKAI スーパーマーケット」CEKAI/東京
- 2019年
- 「ceramic scramble」(キュレーション・出展)五反田ゲンロンアトリエ/東京
- 2018年
- 「わたしはお皿に落書きをしません。」五反田ゲンロンアトリエ/東京
- 2018年
- 「 MASK展」 ANAGRA/東京
- 2017年
- 「View’s view」ギャラリーなつか/東京
- 2017年
- 「冬の虫」ビリケンギャラリー/東京
- 2017年
- 「TOKYO ZOMBIE」 ANAGRA/東京
- 2016年
- 「BUSAN ZOMBIE」yoojin gallery/釜山、韓国
- 2016年
- 「焱」多摩美術大学工芸学科卒業制作展 スパイラルホール/東京
- 2016年
- 「『STRANGER』宮下怜×川名晴郎展」ギャラリー檜/東京
- 2015年
- 「武蔵美美術部展」ビリケンギャラリー/東京
- 2015年
- 「unreal」多摩美術大学/東京
- 2015年
- 「『natural high』西村卓・宮下怜展」ギャラリー檜/東京
- 2014年
- 「『たまびやき』多摩美術大学工芸学科/陶/選抜作品」ギャラリーなつか/東京
個展
- 2020年
- 「Beautiful Dreamer」ware house gallery /香港
- 2018年
- 「Cray!」faith/東京
- 2017年
- 「玩具焼」Cross View Arts/東京
- 2016年
- 「utopia?」Cross View Arts/東京