日々の生活の風景や、夢で見た風景の記憶をたどりながら心象風景として油彩や、ドローイングを切り抜いてインスタレーションする作品を制作している。
記憶とは霧や靄のようなものだと考え、夢や記憶の覚えていること・忘れていることが混在しているその曖昧さに興味をもっている。
記憶をたどる中で出てくるモチーフは、生活の中で見かける道端のゴミ置き場、ベランダに干してある洗濯物、民家の玄関先の忘れられた観葉植物などのどこか所在なさげなものや、電車や家の窓から建物越しに見える遠くの山、夢でみた見知らぬ場所や見たことのない植物などだ。
記憶は嗅覚と密接に結びついていると言われているが、自分の場合はそれに限らず、スマホに残っている夢のメモや過去に描いたドローイングを見返したとき、無目的に散歩をしているときに感じる町の匂い・気温・湿度を体感したときに思い出すことが多いなと感じている。また、ある特定の匂いを感じたときに、その匂いから当時の記憶が呼び起こされることをプルースト効果と言うが、絵画において見ている人がプルースト効果のようなものを感じられる作品、忘却している部分の曖昧さをすくいだして浮遊感のある絵画作品・展示空間を作りたいと考えている。
【略歴】
1989年東京都生まれ。東京都を拠点に活動。2015年多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻油画研究領域修了。
主な展覧会に「Emerging2018 中野由紀子展『見すごしているもの』」(TOKAS本郷、東京)、「いつもの場所」(museum shop T、東京、2020)、「Awake to Dream」(SomoS Arts/ベルリン、2024)。入選・助成歴に「第20回グラフィック1_WALL 審査員奨励賞 菊地敦己選」(2018)、「第31回 ホルベイン・スカラシップ」奨学生(2016)、公益財団法人 吉野石膏美術振興財団 在外研修助成(2024)、SomoS Arts Berlin (ベルリン/ドイツ)でのアーティスト・イン・レジデンスへの参加(2024)などがある。
〈受賞・助成歴〉
2024 公益財団法人 吉野石膏美術振興財団 在外研修助成
2020 小笠原敏晶記念財団「新型コロナウイルス特別緊急助成」採択
2018 第20回グラフィック「1_WALL」 審査員奨励賞 菊地敦己選
2016 トーキョーワンダーウォール 2016
2016 第31回 ホルベイン・スカラシップ奨学生
〈アーティスト・イン・レジデンス〉
2024 SomoS Arts Berlin ベルリン/ドイツ
〈掲載〉
2022 「U35つくるひと事典」haconiwa編集部/翔泳社
〈個展〉
2024 「Awake to Dream」SomoS Arts/ベルリン
2023 「移動、屋根と輪郭」藍画廊/東京
2023 「駅のベンチ、窓の外の山」SAKAINOMA cafe&hotel熊/大阪
2023 「西向きの部屋、モノレール」iGallery DC/山梨
2022 「障子、明け方か夕方か」藍画廊/東京
2022 「少し遠いところに」MOONSTAR Factory Ginza/東京
2022 「あまり知らないところで」亀戸アートセンター (KAC)/東京
2021 「あの時と、この日」GalleryYukihira/東京
2020 「いつもの場所」museum shop T/東京
2019 「つづく、とぎれる、ぼやける、また見える」藍画廊/東京
2018 「Emerging 2018 中野 由紀子 展『見すごしているもの』」TOKAS本郷/東京
2017 「昔の日記、通勤と散歩」circle
〈グループ展〉
2023 「Kunitachi Art Center 公開制作プログラム【GEI SHOW HALL 2023】」 くにたち市民芸術小ホール/東京
2021 「Ordinary than Paradise 何事もなかったかのように」 アキバタマビ21/東京
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