陶芸家。1984年、兵庫県生まれ。沖縄県立芸術大学大学院修了。2013年、自らのアトリエを立ち上げ作家活動を始める。
沖縄を拠点に、「陶」による作品作りを続けている、今村 能章(いまむら・よしあき)。
幼いころから「物づくり」に興味があり、作っているといつの間にか時間を忘れ、没頭してしまうほどだったという今村。恐竜が大好きで、小・中学校と年齢が上がるにつれ、ツチノコやカッパ、ネッシーなどの「未確認生物」に強く惹かれるようになったという。
「未知のもの」には、ワクワクと気持ちを向上させ、イメージを掻き立てる力がある。そんな圧倒的な存在感を持つ「誰も見たことがないもの」を作りたいと、今村は言う。
立体物への興味から「陶」の道を選んだ、今村。
当初は、自分の手の中で形作ったものを焼くことが陶芸だと考えていたが、とある若手陶芸家との出会いがその価値観を大きく翻した。
陶芸とは、自分の手を離れ、窯の中で「焼く」こと。
火を通すことで、自分の想像を超える「未知なるもの」を生み出すこと。
「陶芸」とは、まさに「錬金術」である。
そう強く感じた今村は、自分なりの「錬金術」を探求していきたいと、
「陶芸」に傾倒するようになったのだ。
熱と自然の力=重力によって、窯の中で生み出されたものは、
それを作ろうとした本人の想像をも簡単に超えてしまう。
しかし、目の前にあるその物体こそが「真実」であり、
この「真実」と向き合い、対話することが、作り手自らの好奇心を満たすという。
熱と重力で自然に動いたものを作品にするスタイルを貫く今村。
そんな彼の代表作の1つに、複数の人の顔が施されたワイングラスがある。
この作品が生まれたのは3.11直後。当初は政治的な意図を含んでいた。
このように、政治や社会に対する風刺が投影された陶芸作品は、おそらく稀であろう。
アートなのか、クラフトなのか。
今村は、自身の創作活動を「その中間のようなもの」に位置付けている。
技術のみではクラフトになり、思いが先立つとアートに寄ってしまう。
アートとしての発想、クラフトとしての高い技術、そのどちらも兼ね備えていたい。
双方を併せ持つことは「新しいジャンル」の開拓に繋がるのではなかろうか。
コーヒーを飲むためのカップ、というように目的や役割がある物を作るのではなく、何もないところから自分で発想し、作り出すこと。
自分の内側と向き合い、内なる声に耳を傾け、自分の中から出てくるものを意識すること。
ここから生まれ出ずるものと、自然界に存在する普遍的なものを掛け合わせた創作活動。
これが、今後の今村の挑戦の1つだ。
(B-OWND)
個展
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