犬という生き物は自由なのだろうか。
ある昼下がり、散歩をしていた犬を見て考えた。もちろん犬はリードをつけている。
しっぽを振り、自由気ままに歩いては、時々リードに引っ張られている。身近な存在すぎて、今まで気づいていなかったが、「犬」という生き物は実に面白い。人にとって彼らは相棒であり、友である。この国の場合「犬」という生き物の多くは、人に飼われ、交配し、血統書を付けられる。リードの話でもそうだが、私はこの循環や環境が「不自由」だと感じた。しかし犬からは「人間への憎しみ」だとか「支配からの脱却」などといったドラマチックなものは一切感じない。ただしっぽを振って時々主の顔を見ながら歩く犬が、私の前を通り過ぎただけだった。
そこで私は「不自由」という感情を犬に押し付けていたことに気づいた。時々動物番組でやっている「自称動物の気持ちがわかる超能力者」あれと同じだ。「こうなったらいいな」とか「こうに違いない」という、言葉で意思疎通を図れない生き物に対して、イメージを一方的に当てはめていた。
こういった事象はしばしば人間同士のコミュニケーションでも存在する。幼少期、我が家に訪れた保健所のおばさんが放った「可哀想」という言葉と、私たちが連れていかれないように彼女らを必死に追い返していた父の姿を思い出す。
犬という生き物が自由なのかどうか。私が現在下した結論では「限りある自由を生きる生き物」であるということだ。
犬という生き物は自由なのだろうか。
ある昼下がり、散歩をしていた犬を見て考えた。もちろん犬はリードをつけている。
しっぽを振り、自由気ままに歩いては、時々リードに引っ張られている。身近な存在すぎて、今まで気づいていなかったが、「犬」という生き物は実に面白い。人にとって彼らは相棒であり、友である。この国の場合「犬」という生き物の多くは、人に飼われ、交配し、血統書を付けられる。リードの話でもそうだが、私はこの循環や環境が「不自由」だと感じた。しかし犬からは「人間への憎しみ」だとか「支配からの脱却」などといったドラマチックなものは一切感じない。ただしっぽを振って時々主の顔を見ながら歩く犬が、私の前を通り過ぎただけだった。
そこで私は「不自由」という感情を犬に押し付けていたことに気づいた。時々動物番組でやっている「自称動物の気持ちがわかる超能力者」あれと同じだ。「こうなったらいいな」とか「こうに違いない」という、言葉で意思疎通を図れない生き物に対して、イメージを一方的に当てはめていた。
こういった事象はしばしば人間同士のコミュニケーションでも存在する。幼少期、我が家に訪れた保健所のおばさんが放った「可哀想」という言葉と、私たちが連れていかれないように彼女らを必死に追い返していた父の姿を思い出す。
犬という生き物が自由なのかどうか。私が現在下した結論では「限りある自由を生きる生き物」であるということだ。
<個展>
2024 個展「レてん」 (Quadrivium Ostium、鎌倉)
2023 個展「きてん」 (ACTギャラリー、東京)
2022 初個展「してん」(東京)
<グループ展>
2024
「Dalton group exhibition-part6-」(Gallery Dalston、東京)
「Independent Tokyo 2023 Selection」(tagboat、東京)
「100人10」(TRiCERA、渋谷キャスト)
2023
「an titled 」(北京)
「WHAT CAFE SPECIAL MARKET2023」(WHAT CAFE、東京)
「muni Art Award 2023展」(秋華堂、東京)
「Independent Tokyo」(ポートシティ竹芝、東京)
「IAG awards2023」(東京)
「長亭GALLERY受賞者展」(長亭GALLERY、東京)
「上野の森美術館大賞展」(上野の森美術館、東京)
「GEISAI#22&classic」(ビックサイト、東京)
「天王洲キャナルフェス」(WHAT CAFE、東京)
「ACTアート大賞展」 (The Artcomplex Center of Tokyo、東京)
2022
「長亭GALLERY」 (長亭GALLERY、東京)
「WHAT CAFE EXHIBITION vol.22」(WHAT CAFE、東京)
「GEISAI#21 」(ビックサイト、東京)
<アートフェア>
2023 ART FAIR ASIA FUKUOKA 2023(福岡マリンメッセ、福岡)
<受賞歴>
2024
100人10 野村證券アワード
2023
muni Art Award 準グランプリ
lndependent Tokyo タグボート特別賞、 特別審査員 陳彬賞
IAG awards 2023 奨励賞、八犬堂賞
ACTアート大賞最優秀賞受賞
上野の森美術館大賞入選
2022
長亭GALLERY OJUN賞受賞
Are dogs truly free creatures?
One afternoon, I watched a dog being walked and pondered this question. Of course, the dog was on a leash. It wagged its tail and walked freely, only to be pulled back by the leash occasionally. Being such familiar creatures, I had never really noticed before, but dogs are truly fascinating beings. To humans, they are companions and friends. In this country, most dogs are owned by people, bred, and given pedigrees. This cycle and environment struck me as “unfree,” particularly when considering the leash. However, from the dogs themselves, I sensed no “hatred towards humans” or “desire to break free from control”—none of these dramatic sentiments. It was just a dog wagging its tail and occasionally glancing at its owner as it walked by.
At that moment, I realized I had been projecting the feeling of “unfreedom” onto the dog. It was similar to those self-proclaimed animal psychics on TV who claim to understand animals’ feelings. I had been imposing my own images onto a creature that cannot communicate through words, thinking “it should be like this” or “it must feel this way.”
This kind of phenomenon often exists in human interactions as well. I recall the time when a welfare officer visited our home during my childhood and described us as “pitiful.” I remember my father desperately trying to chase them away to prevent us from being taken.
Are dogs truly free creatures? My current conclusion is that they are “creatures living within limited freedom.”
COMING SOON...
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